気仙沼から未来を変える「学びのクラスター」を起こしたい

気仙沼から未来を変える「学びのクラスター」を起こしたい

応援してほしいこと

 私たちは気仙沼の中学生や高校生の伴走者(ガイドランナー)をやっています。
 気仙沼では、地元の中高生の多くが「探究学習」に取り組みはじめています。
 探究学習とは、教師が出す問いに学生が答えるという形ではなく、学生自らが問いを立てて、取り組み、深めていく、という学習です。
 特に地域課題をテーマにすることで、地域に飛び出し課題解決型のプロジェクトを企画、実践する中高生が急増しています。 防災について、海洋ごみ問題について、ジェンダーマイノリティについて、空き家問題について、などなど…テーマは十人十色。
 
 私たちは学校と地域を行き来しながら、そんな中高生一人ひとりを丁寧に応援しています。
 一つひとつのプロジェクトのインパクトは小さいですが、地域の大人たちと一緒に挑戦した経験は一人ひとりの原体験となり、荒波を越えて自由に生きていく力を育みます。

これまでの10年

 東日本大震災後の世界を見て育った気仙沼の高校生たちにインタビューをして、この10年を総括してもらいました。
 すると「更地に新しい建物がどんどん建つ」「外から新しい風が吹いて移住者と地元の大人たちが楽しそうにまちづくりに取り組んでいる」「早く私も大人になって参加したい」というとてもポジティブな意見が目立ちました。
 震災前の記憶がほぼない彼らにとって、復興のイメージは「マイナスからの回復」ではなく「ゼロからの創造」だったのです。そしてこの10年間チャレンジし続けた気仙沼の大人たちの背中をしっかり見ていたのです。

 確実に次の時代の芽は育っています。その証拠に、2020年コロナ禍に突入しても、中高生のチャレンジは止みませんでした。オンラインを駆使して、学校から地域へ飛び出しました。2021年に入ってもプロジェクトを立ち上げる高校生は増え続けています。
 一方、地域に飛び出す中高生をボランタリーにサポートしてきた私たち伴走者の財源は、大震災から10年間の復興期を終え、大きく縮小しました。
 私たちは復興財源に依存しないため、ご寄付という形で応援してくれる仲間集めを始めました。

これからの10年

 これから私たちが応援してくれる仲間と起こしたいことは、気仙沼で「学びのクラスター」を仕掛けることです。

 気仙沼は日本有数の水産クラスター都市と称されます。水産に関連する地元の業種が「房(ふさ)=クラスター」のように連なっているからです。漁業を頂点に、造船、鉄工、氷屋、箱屋、様々な加工、流通…と。それ故に、みんなまちのことが自分ごとで、一つひとつの企業がライバルであり、大切なチームでもあります
 そんな大人がたくさんいるまちだからこそ、次世代に向けた「学びのクラスター」を起こせると信じています。
 教室で受動的に流し込まれる学びではなく、地域で主体的に生み出す学びは、高校生から中学生へ、教師へ、保護者へ、地域の大人へ、そしてまた他の中高生へと伝播していきます。
 これからは、中高生一人ひとりのチャレンジを丁寧に応援するだけではなく、その挑戦が伝播していくように地域内外への発信事業にも注力していきます。
 応援してくれる仲間の皆さんに逐一中高生のチャレンジを報告しますね。

応援してくれる人へのメッセージ

 防災の大切さを風化させたくないと、小学生に紙芝居で伝える高校生。
 異文化への偏見をなくそうと、外国人実習生とスポーツ大会を開く高校生。
 海に漂うプラスチックごみを回収する装置を自作する中学生。
 地区の公民館で老人クラブとコラボして昔遊び体験会を企画する中学生。
 これらは全て中高生が学校で自らテーマを立て、地域で実践したプロジェクトたちです。
 大震災から10年、パンデミックや気候危機に瀕している今、気仙沼の中高生が動き出しました。
 彼ら一人ひとりの人生のために、そして長い目で見て気仙沼のために、私たちは伴走を続けます。
 気仙沼から日本の未来を変える「学びのクラスター」を起こしていく応援をよろしくお願いします。

代表理事 加藤拓馬
代表理事 加藤拓馬
漁師体験からプロジェクト型学習まで中高生のアクションを応援する「じもとまるまるゼミ」を宮城県気仙沼市で主宰。学生時代に中国やエジプトのハンセン病回復村を回り、2011年東日本大震災を機に新卒無職で気仙沼に飛び込む。15年まるオフィスを設立、漁師まちの半島で移住者を増やしながらまちづくりに取り組んだ後、課題だらけの日本のローカルは探究型の学びに最適だと確信、教育事業に至る。89年生 兵庫県出身。早稲田大学卒。二児の父。